6.税理士の歴史の話2

明治維新以降、大日本帝国憲法の制定、帝国議会の設置と、明治日本は近代国家としての基礎を急速に整えていくことになります。国を挙げての富国強兵が叫ばれ、その成果は日清・日露戦争の2つの戦争の勝利として結実します。大国ロシアをも破った日本は、東アジアの新興国として、欧米列強からも注目される存在になっていきました。日露戦争に行きつくまでの経緯とその結末は、最近ドラマ化された司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に描かれているところです。
小国日本が大国ロシアを破ったことは、確かに世界を震撼させました。有名な日本海開戦でバルチック艦隊を撃破したことは、日本国民を大いに熱狂させました。日本はこうして国際的地位を高めていきましたが、その一方では相応の、決して小さくない代償を払っていました。日露戦争によって政府の財政需要が増大し、そのツケは当然のように日本国民、即ち納税者にまわっていきました。戦争の為の経費を捻出するために、明治政府は増税をします。日本の近代化が進むにつれ、税制の近代化もなされていきました。この間課税される立場の商工業者は、退職税務官僚や税務、会計に精通する者に税金の相談や申告業務を依頼してするようになっていました。ここで登場する、税金に関する相談を受けた退職税務官僚等が現在の税理士の起源だとも言われていますが、日露戦争が激化し国民の税負担が大きくなると、納税者が税金に精通する者に頼る風潮が強まってきました。また税金に関する相談を受ける側も、税金相談や申告代理を専門に商売として行うものが出てきました。現代風に言えば税金に精通したものが税金に関するコンサルタント業務を始めた、といったところでしょうか。こうした人たちは当時税務代弁者或いは税務代弁人と呼ばれました。ここで現在の税理士に相当する職業が社会から求めれれ、欠かせない存在になっていったのです。

こうして税務代弁者或いは税務代理人と呼ばれる職業が誕生したわけですが、如何せん新興の職業であったためまだ規範化されておらず、それはつまり業界の混乱を招いたのでした。具体的には当時税務の専門家として業務を行っていた国税従事者とも呼ばれた税務署のほかに、一部の弁護士、計理士も存在していましたが、それら以外に悪質な業務を行う税務代弁者、税務代理人がいました。何より法律、法令が整備されていなかったため、無資格で業務を行うものがいたゆえ、このような状況を招いてしまったのです。こうした悪質な税務代弁者が出現し社会問題化したため、政府も対策をとらざるを得なくなりました。

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